凍結防止器用温度スイッチ


製作の過程・考え方を記事にしています。

凍結防止用の電熱機器は消費電力が大きくなりがちである。
24時間タイマーを使用しているが、不要な電力はできるだけカットしたい。そのためのはマイナス1℃±2度くらいで動作する サーモスイッチがほしい。(氷点は0℃と言われるが、実際には-4℃らしい。)
温度センサーはいくつか集めてみたが、無調整で使えそうなものはない。

LM61BIZ・LM61CIZのデーターシートを眺めていてふと思いついた。 0℃の出力が600mVある。25℃では850mV。 600mVと言えばTrのVbeじゃないか。
テスタで温度表示とか考えていたので使えないと思っていたが、 トランジスタ直結で、0℃よりちょっと上でon・offするに違いない。

ブレッドボードで試験する。 なんとファイト一発OK。
ただアキュラシーが、±3℃・±4℃なので、ベースにトリマを一つ入れよう。

こんな感じでいいかな。
Rはなくても動作するか、入れておくと調整が格段に楽になる。

初段のトランジスタはVbeが0℃検出の基準になるので、トランジスタの温度変化込で調整ユニットとする。
おっと。
どうせなら複数のセンサをつけて一番低いので動作させれば最高
ダイオードでORすれば簡単。

センサを延長することになれば、断線のトラブル対策が必要
目的が凍結防止器なので、トラブルに対しては「ON」になるように考える。
ダイオードとプルアップ抵抗を本体側に取り付けるとセンサなしでオンのモード。

ちょっと待てよ!
何か見落としてないか?[2012.12.14]

もう一度図2を見直し。
最初の実験は\100ショップのバイメタル温度計が0℃を示している時に行った。5℃時にもonしている。ポテンションを調整してRに近づけると設定温度が高くなってしまう。
そう。図2では設定温度を下げることができない。


図2

検出温度を0℃付近にするには、温度センサの出力を持ち上げる必要がある。0.3〜0.4Vくらい持ち上げたい。
(Tr 0.65V+マージン0.2V+センサの誤差5度0.05V=0.9V:0.9V-センサ0℃0.6V=0.3V) 3端子レギュレータの常套手段のダイオード・317で行う抵抗分割・電圧リファレンスは1.25Vはあるので分割しなければならない。 (ショットキーダイオードは0.3Vだった。okだけど調整のポテンションはやはり必要。)
ポテンション1個が一番簡単か!


図5

ポテンションが簡単だけど、差し替えできるほうが便利。
ポテンションは約1kΩ。Rは1kΩの2本直列に1本並列。約667Ω。2kを3本並列と考えると暗算できる。

2個のセンサは、LM61BIZとLM61CIZ。個々に調整するのでどちらでも良い。


空きスペースに一度動作すると表示するラッチでも乗せたい。(74HC74等)
SSRはLEDで動作表示は無いので、外部表示用LEDを直列に入れている。

センサは取り外し可としているが、最終的にはハンダを流し固定の予定。


SSR:AC125V 8A LED1.2V16〜24mA
Tr:2SC1815:小信号トランジスタなら、ほとんどなんでも可
ダイオード:小信号用スイッチングダイオード
プルアップ抵抗:10kΩ(1k〜100kたぶん可・要テスト)
LED電流制限抵抗100Ω:
 (電源5V−SSR内LED1.2Vー表示LED1.8V)÷100=0.02=20mA
表示用LEDは明るさで電流を小さくしてもよいが、SSR等では規定の電流に注意。

電源は5Vのアダプタ 50mA以上:AC100Vから3端子レギュレータでも可:トランス型のアダプタは非推奨(電圧過ぎ)
抵抗(センサGND側)は実際の温度環境で調整する必要あり。小さ過ぎると凍結温度になるし大き過ぎると節電効果がなくなる。
電源表示LEDは追加したほうがよい。
センサモジュールは追加可能。
AC100Vラインにはヒューズも入れるのが常識。

試作は終わった。AC100Vを使っているので絶縁・実装には十分注意が必要。[2012.12.26]


SSRの入力電流について。
[推奨動作条件」のon時入力電流は最少16mA最大24mAとあった。
最少トリガ電流に温度と電流のグラフがあり、-25℃で6mAで温度とともに減少するグラフがあった。6mA流せば全温度範囲でonできることがわかるが、 安定な動作を期待するために16〜24mAに設定するのが望ましい。 もしも、16〜24がトリガ電流のデバイスによるばらつきを示す数値なら24mA以上に設定しなければならない。

最少トリガ電流0℃5mAに達しない状態で表示ledが点灯する。
1mAで十分明るいLEDなので、1.8V/4mA≒470Ω位の抵抗をLEDと並列に入れると良くなる。それとトランジスタはダーリントンにするか、hfeランクの大きいものを選択したほうがよいだろう。

コンパレータが使えたら、すっきりしたかも。

ここのサイトは見た目(実装)の綺麗さは追及していないので、ここで一応終わり。
注:内容にミスがあるかもしれません。利用する場合は「自己責任」でお願いします。


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